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みんなが生きているということ

 

動物や植物や微生物など、すべての生き物は、生きていくためにほかの生き物を必要としています。動物と植物が、呼吸を通じて酸素と二酸化炭素を交換し、微生物が有機物を分解することで、動物や植物がエネルギーを得ているように、どのような生き物であれ、自分以外とまったく無関係に生きて行くことは、けっしてできないのです。
あらゆる生き物の命はつながっていて、循環しています。そして、過去から未来へと命をつないでいます。生物多様性は、生き物が地球上で生きて行くために必要な条件なのです。

生物多様性には、3つの分野の多様性があります。

・「個の多様性」
・「種の多様性」
・「生態系の多様性」

この3つの多様性は、それぞれ独立したものではなく、それぞれが深く関連しています。

「個の多様性」は、例えばヒト一人一人に個性があるように、ある種類の生き物の一つづつに、個体差が必要だということです。個体ごとの違いは遺伝子の違いにあります。これを多様な遺伝形質といいます。なぜ多様な遺伝形質が必要なのでしょうか?
それは、いくら数がたくさんいても遺伝子がまったく同じであれば、病気や環境の変化に対して同じダメージを受けてしまい、たやすく絶滅してしまう危険性があるからです。個体ごとに多様性を持っていれば、様々な病気や環境の変化に対して、耐えることのできる仲間を未来へ残すことができます。

「種の多様性」は、生き物の種類の多様性のことです。個の多様性が種の存続につながっているように、種の多様性は、生き物全体の存続につながっています。
様々な生き物がお互いを支え合うようにつながっていることで、大きな環境の変化などがあっても、その変化を乗り越える可能性を持った生き物の種類が多くなり、さらには新しい種類の生き物が生まれる可能性も高くなるからです。

「生態系の多様性」は、種の多様性を支える環境の多様性です。海や山、熱帯や極地など、地球の自然環境はとても変化に富んでいて、多様な環境を持っています。そして、それぞれの環境に対応した数多くの生き物たちが暮らしています。これらそれぞれの生き物を含む環境のことを生態系といいます。地形や気象など、地球の環境はとても複雑な要素が絡み合って、多様なすがたをしています。これにともなって生態系もまた、非常に多くの生き物たちの組み合わせによってかたち作られているのです。また、このことを実現しているのは、個の多様性によって、様々な生態系での生存を可能にする遺伝形質の多様性があるからなのです。

いま、環境保全の観点から危惧されている「生物多様性の危機」とは、「種の多様性」が急速に失われていること、つまり多くの生き物がかつてないほどの速さで絶滅しつつある現状のことです。
多くの生き物がバランスを保って生きている、ある生態系が崩れてしまうことで、それが他の生態系へも影響を及ぼし、地球全体の生き物のバランスが崩れてしまえば、最終的には人間を含む生き物全てが絶滅してしまうかもしれません。


  • このWebコンテンツは、財団法人奄美文化財団が、平成22年度子どもゆめ基金(独立行政法人 国立青少年教育振興機構)の助成金の交付を受けて制作したものです。
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