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ソテツ
ソテツ
説明

・ソテツ(蘇鉄、学名:Cycas revoluta)は、裸子植物ソテツ科の常緑低木です。日本では九州以南、南西諸島にかけて分布し、主に海岸近くの岩場に生育します。

・根に根粒があり、藍藻類を共生させており、それらが窒素を固定する能力を持っているため、痩せた土地でも生育することができます。よく道路の中央分離帯や公園の植栽に用いられ、官公庁や学校などにも記念樹として植えられています。

・生育は早くありませんが成長すれば樹高は8m以上にもなります。幹は太く、たまにしか枝分かれせず、細い枝はありません。種子は熟すると朱色に色づきます。この種子は日本国外へも輸出されていて、主な出荷先は台湾や中米(コスタリカなど)です。

・種子には有毒な成分を含んでいますが、澱粉分も多いので、皮を剥ぎ、時間をかけて充分に水に晒し、発酵させ、乾燥するなどの処理をして食用に加工されています。沖縄や奄美群島では、飢饉の際に食料として飢えをしのいだという記録もありますが、毒にやられて苦しむ人が出て「ソテツ地獄」という言葉が生まれました。

・奄美大島などでは、サゴヤシのように幹から澱粉を取る伝統があります。また、種子から取った澱粉を加工して蘇鉄餅が作られました。微生物による解毒作用を利用して無毒化されたナリみそ(蘇鉄味噌)は、伝統的な食材として調味料としてだけではなく、つまみや添え物など日常的に利用されています。


  • このWebコンテンツは、財団法人奄美文化財団が、平成22年度子どもゆめ基金(独立行政法人 国立青少年教育振興機構)の助成金の交付を受けて制作したものです。
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