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マングローブ
マングローブの生き物
マングローブの役割
マングローブと人の暮らし

マングローブ林の生態系

マングローブ

マングローブの林には沢山の生き物がすんでいます。
木々の上には哺乳類や鳥類、爬虫類、両生類が住み、水中には、エビやカニ、貝などが暮らします。
張りめぐらされた呼吸根や支柱根は多くの稚魚が安心して暮らせる大切な空間を提供してくれるとともに、マングローブを中心とした食物連鎖が成り立っています。
潮が引いた時には、多数のカニ等の甲殻類が姿を現します。
干潟の近くではシオマネキ類やミナミコメツキガニなどが出現し、森の中にはアシハラガニ類やイワガニ類が多数生息しています。
潮が満ちてくると、地面に掘った穴の中にもぐりこんでやり過ごすものが多いのですが、中には木に登って過ごすものもあります。
なお、潮が満ちるとガザミやノコギリガザミなど、大型のカニが姿を現します。貝類では、キバウミニナなどの巻貝、ヒルギシジミなどの二枚貝がいます。
これらの多くはマングローブ植物の落葉や種子を食べています。
特にマングローブの落葉を直接消費するキバウミニナや、ある種の大型のカニ類はマングローブ生態系の炭素循環において重要な存在です。
魚類では、干潟や呼吸根の上でミナミトビハゼなどのトビハゼ類が活動しますが、潮が満ちると他の多くの海水魚が侵入してきます。
呼吸根が複雑に入り組んだマングローブ林は身を隠すのに都合がよく、アイゴ類やハゼ類など、多くの小魚がみられ、さらにそれらを捕食するフエダイ類やオオウナギなどの大型魚もやってきます。
また、マングローブ植物そのものを生息場所としている動物もいます。貝類のイロタマキビガイやイワガニ科のヒルギハシリイワガニ等は、マングローブ植物の幹や支柱根で生活しています。
さらに、固着性動物であるフジツボの仲間のシロスジフジツボが、ヤエヤマヒルギに付着している事例も報告されています。
こうした事からマングローブは「命のゆりかご」と呼ばれています。


  • このWebコンテンツは、財団法人奄美文化財団が、平成22年度子どもゆめ基金(独立行政法人 国立青少年教育振興機構)の助成金の交付を受けて制作したものです。
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