マングローブの危機を救おう! | |
・マングローブ林は、海の生物を育む「生命のゆりかご」です。その土地に住む人たちにとっては、食料、燃料、建材などを与えてくれる「生活の森」であり、さらに暴風や高潮などの災害からヒトの命や家屋、農地などを守る「防災の森」です。
・そのマングローブ林が、地球全体で見ると1980年当時の総面積の1/5に相当する範囲(約3万5500km2)が消滅しています。東南アジアでは、輸出向け木炭の材料とするための伐採と、海岸沿いの湿地を、日本向けのウシエビ(ブラックタイガー)などのエビ養殖場とするための開発などが、主な原因となっています。マングローブ林の破壊は、深刻な地球環境問題のひとつといえます。
・2004年12月26日のスマトラ沖地震によって発生した津波は、東南アジアの国々に甚大な被害をもたらしました。しかし、マングローブ林があったおかげで、津波の災害から逃れることができた人々もたくさんいたのです。マングローブが自然の防波堤となることで、津波の被害の原因となる漂流物体が食い止められたのです。また、マングローブのおかげで、海に流されずにすんだ人もいました。
・こうしたことから、マレーシアではスマトラ沖地震直後から、海岸にマングローブを植える取り組みが始まりました。また、インドネシアやスリランカでも津波の災害から農地や住宅、そして人々の命を守るために、マングローブ林の再生が行われています。