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メヒルギ
メヒルギ
英名 Kandelia candel
学名 Kandelia obovata
科目

メヒルギは、双子葉植物網ヒルギ目ヒルギ科の常緑木本です。

特徴

潮のみちひきによって、陸になったり海にしずんだりする場所に生えているマングローブ樹種のひとつです。
おもに熱帯から亜熱帯の河口の干潟に生育し、マングローブの樹種の中では、もっともも赤道に近い場所に生えるなかまです。
ヒルギ科の中では、比較的海水に対する抵抗力が弱く、川の下流域などの汽水域を好みますが、栄養豊富な胎生種子による定着率の高さから、好適地には他の樹種より早く定着するパイオニア植物です。定着の初期は低木として成熟し、群落を形成した後に、樹高の高い個体が現れ、密度を調整しながら高木の群落を形成します。

形態

樹高は成木で高さ15mていどになりますが、生育条件で大きくちがい、日本では最大でも7~8mです。
成木は幹の周囲に呼吸根として板根を持ち、干潟の泥地に安定して株立ちします。
葉は5cmほどの長楕円形で対生し、革質、光沢があります。葉の先端は円い形をしています。
裂けた花弁が見える花期は初夏。腋性の集散花序で、細長い5枚の萼と、長さ1cm程度の糸状の5枚の花弁を持つ白色の花を10個程度つけます。がくは後ろにそり返り、花弁はふたつにわかれ、先端はさらに細くさけています。
花が咲いたあと、がくを中心に直径数cmの卵形の果実となります。種子は果実の内部で発芽、発根し、果実の先端から太い根が伸び出します。この根は長さ30cm程度の細長い緑色となり、やがて果実から根とその先端の芽が抜け落ちます。
胎生種子は樹上で発根し、親株の近くの泥地に根付くことが多いですが、他のマングローブ植物と同じように海水に流され、海流にのって分布を広げています。


  • このWebコンテンツは、財団法人奄美文化財団が、平成22年度子どもゆめ基金(独立行政法人 国立青少年教育振興機構)の助成金の交付を受けて制作したものです。
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