オナガエビネ | |
絶滅危惧II類(VU) | |
Calanthe | |
Calanthe masuca |
オナガエビネは、単子葉植物網ラン目ラン科エビネ属の多年草です。
オナガエビネは、赤紫~桃色の花を咲かせる南方系のエビネの一種です。 奄美や沖縄など南西諸島で、広常緑広葉樹林の下に生える多年草で、群生して咲きます。海外では、台湾、中国南部、タイ、インドなどにも分布します。
夏に咲くエビネなので、ツルラン(鶴蘭)とともに夏エビネとも呼ばれます。日陰に強く、株によって、かなり花色の濃淡に変化があります。なお、オナガエビネとツルランの自然交雑種は花色が白くなり、リュウキュウエビネと呼ばれています。
かつては自生地には多数の個体が見られましたが、園芸用に乱獲され、野生では個体数を減らしています。
草丈は30cmから100cmくらい、葉は大形の長い楕円形で、4枚から5枚が輪生しています。
偽球茎(ラン科植物の地上茎や花茎の一部が肥大した器官で、水分や養分の貯蔵場所となっている)のつけ根の部分から、総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、たくさんの花をつけます。
花の色は淡いピンクから濃い紫色で、稀に白い花をつけることがあります。
オナガの和名は、距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)が長いことから付けられました。またエビネ=「海老根」は、茎や根の形が、エビのように見えることから名付けられました。