ツルラン | |
絶滅危惧II類(VU) | |
Calanthe triplicata | |
Calanthe triplicata |
ツルランは単子葉植物網ラン目ラン科エビネ属の常緑多年草です。
東南アジアを中心として、日本(九州南部、南西諸島)、中国、台湾、オーストラリア北部など、広い範囲に分布するランの仲間で、山野草として広く親しまれているエビネの1種です。
一般的なエビネは春に開花しますが、ツルランは夏に開花する「夏咲きエビネ」のなかまに入ります。
南方系のエビネの一種で、夏、沖縄や奄美で、幅広の葉の中から、すらっとした花茎を伸ばし白い唇形の花を多数咲かせます。花姿が鶴に似ていることから、ツルランと名づけられました。広葉樹林下の林床に地生する蘭で群生して咲きます。
エビネの中でも大型種で、葉は先のとがっただ円形で長さは30~50cm、縦方向に幾筋かのシワが入ります。地際に径2cm前後の球茎(バルブ)をつくり、葉が落ちた後も残ります。根は他の夏咲きエビネに比べると太く、直径3~4mmになります。
主な開花期は夏~秋で、茂らせた葉の間から花茎を最長80cmほどに伸ばし、その先端に30輪前後の花を付けます。花色は白~黄色がかった象牙色、中心に黄~赤色の突起があります。花の大きさは径3~4cm、花びらの一部が「大」の字形になります。
花は短命で、開花後2~3日で色が褪せはじめ、1週間ほどで枯れ落ちますが、花茎の先端に向かって次々と咲き続けます。